建設業許可手続代行
風営法の分かれ目「接待」の懸念
建設工事の完成を請け負うことを営業とするには、建設業法第3条に基づき、建設業許可を受けなければなりません。発注者から直接建設工事を請け負う元請人はもちろんのこと、下請負人の場合でも、請負として建設工事を施工する者は、個人であっても法人であっても、この建設業許可を受ける必要があります。
建設業許可を受けないで建設工事の請負の営業を行なうと、無許可営業となり、建設業法違反で、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。建設業許可には、例外もあり、軽微な建設工事のみを請け負って営業する者は、必ずしも建設業許可を受けなくてもよいとされています。
1 建築一式で1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事
2 請負代金の額に関わらず、木造住宅で延面積が150平方メートル未満の建築一式工事
3 建築一式以外の工事で1件の請負代金の額が500万円未満の工事
建設業許可の区分
1 建設業の区分
建設業の種類には、以下の28種類があります。
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内 容 | |
1 | (土)土木一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を 建設する工事 |
2 | (建)建築一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を 建設する工事 |
3 | (大)大工工事 |
木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、 又は工作物に木製設備を取付ける工事 |
4 |
(左)左官工事 |
工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、 繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事 |
5 |
(と)とび・土工・コンクリート工事 |
イ 足場の組立て、機械器具、建設資材等重量物 の運搬配置、鉄筋等の組立て、工作物の 解体等を行う工事 ロ くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事 ハ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 二 コンクリートにより工作物を築造する工事 ホ その他基礎的ないしは準備的工事 |
6 |
(石)石工事 |
石材の加工又は積方により工作物を築造し、 又は工作物に石材を取付ける工事 |
7 |
(屋)屋根工事 |
瓦、スレート、金属薄板等により屋根を葺く工事 |
8 |
(電)電気工事 |
発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等 を設置する工事 |
9 |
(管)管工事 |
冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を 設置し、又は水、油、ガス、水蒸気等を送配する ための設備を設置する工事 |
10 |
(タ)タイル・れんが・ブロック工事 |
れんが、コンクリートブロック等により工作物を 築造し、又は工作物にれんが、コンクリート ブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事 |
11 |
(鋼)鋼構造物工事 |
形鋼、鋼板等の鋼材を加工又は組立てにより 工作物を築造する工事 |
12 |
(筋)鉄筋工事 |
棒鋼材等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる 工事 |
13 |
(鋪)舗装工事 |
道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、 砂、砂利、砕石等により舗装する工事 |
14 |
(しゅ)しゅんせつ工事 |
河川、湾港等の水底をしゅんせつする工事 |
15 | (板)板金工事 | 金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は 工作物に金属製等の付属物を取付ける工事 |
16 | (ガ)ガラス工事 | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 |
17 | (塗)塗装工事 | 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又は はり付ける工事 |
18 | (防)防水工事 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によって 防水を行う工事 |
19 | (内)内装仕上げ工事 |
木材、石膏ボード、吸音材、壁紙、たたみ、 ビニール、床タイル、カーペット、ふすま等を、 用いて建築物の内装仕上げを行う工事 |
20 | (機)機械機具設置工事 | 機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は 工作物に機械器具を取付ける工事 |
21 |
(絶)熱絶縁工事 | 工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事 |
22 | (通)電気通信工事 | 有線電気通信設備、無線電気通信設備、 放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備 を設置する工事 |
23 | (園)造園工事 | 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、 公園、緑地等の苑地を築造する工事 |
24 |
(井)さく井工事 |
さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又は これらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事 |
25 |
(具)建具工事 |
工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事 |
26 | (水)水道施設工事 | 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、排水等の 施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下 水道の処理設備を設置する工事 |
27 | (消)消防施設工事 | 火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは 消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に 取り付ける工事 |
28 |
(清)清掃施設工事 |
し尿処理施設又はゴミ処理施設を設置する工事 |
2 建設業許可の種類
建設業許可には、「大臣許可と知事許可」「一般と特定」「法人と個人」「新規、更新、業種追加」の種類があり、それらの組み合わせで許可申請を行います。
1 大臣許可と知事許可
建設業の許可を行なう許可行政庁は、建設業許可を受けようとする建設業者の設ける建設業の営業所の所在地の状況によって大臣と知事に区分されます。2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設ける場合は大臣の建設業許可、1つの都道府県内の区域に営業所を設ける場合は知事の建設業許可です。具体的には、以下の通りです。
(例)
・営業所が千葉に1箇所→知事許可
・営業所が千葉に10箇所→知事許可
・営業所が千葉に1箇所と東京に1箇所→大臣許可
2 一般建設業許可と特定建設業許可
建設業許可を受けようとする建設業の建設工事を施工するための下請契約の規模によって、一般建設業と特定建設業に区分されます。建設業の許可は、その建設業許可を受けようとする業種ごとに、一般建設業か特定建設業かのいずれかの許可を受けなければなりません。
・特定許可・・・・建設工事の最初の注文者から直接受け取った建設工事について、1件あたりの合計額が3,000万円以上(建設工事業については4,500万円以上)となる下請契約を下請人と締結して施行させる場合。
・一般許可・・・・請け負った工事を下請に出さない場合や、下請に出したとしても1件あたりの合計額が3,000万円未満(建設工事業については4,500万円未満)の場合。
このように、特定建設業の許可は、下請負人保護のため許可要件が加重されています。
建設業許可を取るための条件
1 経営業務の管理責任者がいること
申請者が、法人の場合は常勤の役員のうち1人が、個人の場合は本人(又は支配人登記をした者)が、次のア~ウのいずれかに該当すること。
ア |
建設業許可を受けようとする業種に関して、5年以上の経営経験を有すること。 |
イ |
建設業許可を受けようとする業種以外の業種に関して7年以上の経営経験を有すること。 |
ウ |
建設業許可を受けようとする業種に関して7年以上経営業務の管理責任者に準ずる 地位に あって、経営業務を補佐していた経験を有すること。 |
2 専任の技術者がいること
建設業を行うすべての営業所に、専任の技術者を置くこと。専任技術者とは、次のいずれかの要件を満たす技術者のことです。
ア |
高等学校(又は大学)で許可を受けようとする業種に関連する学科を卒業し、 5年(大学では3年)以上の実務経験を有する者 |
イ |
許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験を有する者。 |
ウ |
許可を受けようとする業種に関して、別に定める国家資格を有する者 |
※特定建設業の許可を受けようとするときは、さらに要件があります。
専任の技術者について、施工管理技士等の一級資格者、又はこれに同等である者
3 金銭的信用・財産的な基礎があること。
申請時点において、次のいずれかの要件を満たしていること。
ア |
法人の場合、直前の決算期において自己資本の額が500万円以上であること |
イ |
取引金融機関の預金残高証明証で500万円以上の資金を調達する能力を証明できること |
ウ |
申請の直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること |
4 単独の事務所を有すること
営業を行おうとする事務所が、申請者所有の建物であるか、申請者が借主で営業を認められた賃貸(又は使用貸借)物件であること。
5 下記に該当する場合は建設業許可を受けることができません
ア |
申請書及び添付書類に、虚偽の記載や、重大な事実の記載漏れ等がある場合 |
イ |
申請者や申請する法人の役員に、以下に該当する者がいる場合 |
ウ | 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者 |
エ | 禁錮・罰金などの刑を受け、一定の期間を経過していない者 |
オ | 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな者 |
カ |
暴力団の構成員である者 |
以上簡単に、許可条件を掲載いたしました。建設業の許可は、申請書類が多くあり、手続きが煩雑です。小さいことでも構いませんので、ご相談下さい。